人生を統合的に捉えて、自分のキャリア形成を考える。

自分のキャリア形成、キャリア開発を考えるとき、
自分だけの個人レベルで考えるのではなくて、
もっと広く社会との関りも視野に入れて、
自分のキャリア形成を考えると言う視点があります。

キャリアコンサルタントにはおなじみの理論、
ハンセン博士が提唱した統合的人生設計の考え方ですね。

我々は一生働いていくわけですので、
職業の選択だけではなく、家庭や地域との関わりなど、
人生において担う役割を含めてキャリアを考える
ライフキャリアという概念です。

この概念では、4つの要素、
つまり仕事、学習、余暇、愛の4つが
縫物のようにうまく縫い合わさって
1つの意味ある全体になる、と考えます。

この4要素について簡単に述べると、
仕事はその名の通り仕事、働くことですね。
学習は、学んで能力を高めていかないと、
新しい仕事を覚えることも出来ません。
余暇は、レジャーです。
働きづめでは疲弊してしまいます。
余暇でリフレッシュして、
仕事に向けて英気を養うことは大切ですし、
プライベートでも楽しまないと人生つまんないですね。
愛は、欧米的な言い方ですので、
日本人にはピンとは来ないでしょうが、
家族を大切に思い合う気持ちや関係などと
考えると良いでしょう。

この考え方は、家族を持ち始めた30歳前後
以降の人々が自分のキャリアを考えるときに
特に有効だと思います。

仕事、学習、余暇、愛(「家庭」「パートナーとの関係」等)
という4つの要素において、
それぞれ自分が抱える問題は何か?
それらを解消する為にはどうすればよいか?
考えてもよいでしょう。

または、これら4つの要素で自分の状況を振り返り、
偏りはないか、足りないことはないか、
など全体のバランスを考えて、
今の自分の行動を是正することもお勧めです。

漠然とキャリアを考えても思考は深まりにくいでしょう。
例えば、こういった4つの要素で人生を統合的に捉えて、
自分のキャリアと人生を考えてみると、
具体的に考えが深まって世界が広がるかも知れません。

(2019年1月21日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士
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・お役立ちツール:弊社HPで公開中のキャリアデザインツール
・自らの価値観を考えるときのツール(無料):価値観のオンラインワークシート
・1人でキャリアデザインをするとき:Webで使用可能なキャリアデザイン教材・講座一覧

<参考図書>

今回のコラムで取り上げたハンセン博士の著書(キャリア開発と統合的ライフ・プランニング)が
日本語に翻訳されていますので下記ご紹介しておきます。

キャリア開発と統合的ライフ・プランニング―不確実な今を生きる6つの重要課題