複数のキャリアパスで迷う人には、究極の選択を問う。

キャリアコンサルタントをしていると
専門性あるプロフェッショナルになりたいし、
一方で、会社のマネジメントにもなりたい、
という相談を受けることがあります。

よく聞くとこれは、相反する2つの方向性を
目指したいと言うことです。

専門性有るプロフェッショナルとは何か
とお聞きすると、
例えば「コーポレートファイナンスの専門家」
と言った回答であり、スキルとしては、
ファイナンスの分析力や経営の数値管理スキル、
などを身につけていきたいというお考えです。
つまりプロフェッショナルの道です。

一方で、その人が言うマネジメントとは、
部下を沢山持ってビジネスを動かしていく
様なことでした。
こちらはゼネラリストの道ですね。

方向性を異なるビジョンを2つ目指すとなると、
それぞれに向かう道が違う訳ですから、
「では次に何をやるのか?」という時に
どうすれば良いか分からず、
その場に足踏み状態となってしまいます。
で、悩む訳です。

こういうときにキャリアコンサルタントは
どうやって、その人の考えを進めさせるのでしょうか?

私がよく使う方法は、究極の選択を問うことです。

例えば、
「10年後に財務部長と事業部長どちらになりたいですか?」
などと質問します。

そして、その人が
「やっぱりファイナンスの専門家としてのアイデンティティを
持って経営に携わりたいから財務部長」
と答えれば、スペシャリストを目指すことが
本人にとって相応しいビジョンです。

他方で
「組織を動かしてビジネスをリードしたいからCOO」
というならば、ゼネラリストとして経営者を目指すことが
本人にはフィットする道でしょう。

多くの人は自分が何を望んでいるのか、
気づいていないということは珍しくありません。

そこで、このような選択を迫る質問をするのです。
多くの人は、他人から選択を迫られるまでは、
自分が本当はどんなキャリアを目指したいのか、
気づいていないことは少なくないのです。

迷える人の相談に乗る時の1つの技法、
究極の選択、おすすめです。

2018年10月1日 山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士
ヤニー株式会社
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

<お役立ちツール>
・自分の価値観を知る為のオンライン・ワークシート(無料)
・Webで使用可能なキャリアデザイン教材の一覧

<参考図書>
新しいカウンセリングの技法: カウンセリングのプロセスと具体的な進め方

↑ 初級のカウンセラー向けの本ですが、カウンセラーでなくても
他人の相談に乗るときに参考になる技法が学べます。