すさまじい収入格差が広がっている日本。<1回:平均年収と準・富裕層の年収水準>

今の東京は、20年前のニューヨークに似ている
と感じています。
私は2001年から3年間ほど同市で働いて、
若気の至りで楽しく過ごしたのですが、
一方でシビアな資本主義の競争社会を
目の当たりにしました。

<2001年のNYの経済状況>

庶民の大多数は経済的に苦労していて、
家庭は共働きが7割程度を占めており
(皮膚感覚ではもっと高そうでしたが)、
二人でやっと家庭を維持出来る収入を得ている
という状況が一般的でした。

そうなると親の収入では
子供を大学に行かせることは出来ず、
学生は学費をローンで借金しており、
数万ドルの借金を抱えて社会に出ていました。
社会人1年目から負債を背負っているのは
シビアな重荷です。

他方で、資本家やエリートはリッチで、
家賃5000ドル(50万円)以上の部屋を借り、
または2億円以上の部屋を一括で買って住み、
コース料理が一人1万5000円くらいの
高級レストランはいつも満席でした。

当時の日本は、今と異なり豊かな社会の
名残がありました。
そんな社会からニューヨークに引っ越して、
仕事をしながら見た世界は、
「資本主義が行きつくと怖いなー」
と感じました。
自由競争よりも、安心できる社会の方が良いと
思ったものです。

<現在の東京では…>

で、今の東京ですが、
当時のニューヨークと色々な側面で似てきています。
個人経済状況で言えば、ビジネスマンの間では
収入格差が広がっています。

まず、会社勤めの人々の平均年収については、
厚生労働省の統計では42.9歳(男女)で306万円、
25歳-29歳の女性(小企業~大企業)で210万円~240万円、
年収が最も高い大企業勤務の50代前半男性で506万円、
他に役職別では部長級52歳で659万円ほどです。

非正規社員の人々だけを切り出すと100万円~200万円の
水準の人々がとても多い現実もあります。

これに対して、収入が高いビジネスパーソンの
年収例は次の通りです。

26歳、外資金融アナリスト女性(見習いクラス)1400万円
28歳、コンサル会社アソシエイト男性(平社員)1500万円
30歳、国内大手製造業600万円
30歳、外資系コンサル会社マネージャー(課長クラス)1800万円
33歳、総合商社1200万円
38歳、国内系証券会社ED(次長クラス)2000万円
40歳、外資投資銀行VP(マネージャークラス)4000万円
40歳、外資系PEファンドVP(マネージャークラス)5000万円(+不定期の特別賞与;数百万~数億円)
50歳、コンサル会社パートナー(役員クラス)2億円

加えて、起業して会社を上手く売却した人々は、
数億円~数十億円のリターンを得ているケースが散見されます。

<何が違うのか?>

これらは決して誇張した数字ではありません。
むしろ少し控えめに記載しています。

年収が200万円位の人々がとても多く、
平均では300万~400万円という社会において、
20代で1000万円以上、30代で2000万円以上という
数字を見ると、相当な格差が生まれています。
稼いでいる人々は、そこに至るまでに頑張り、
自己研鑽も随分と頑張っていますので、
収入が高い人々がいること自体は別に悪いとは思いません。

むしろ、稼いでいる人々の1ヶ月分に満たない年収
の人々が増えていて、かつ、収入が伸びないことが問題です。
何が違うのでしょうか?

数千人の職業相談に乗ってきたうえでの私見ですが、
ほんのちょっとした習慣の違いかな、と思います。

習慣のどんな違いか?
今回それを書きたかったのですが、
長くなりましたので、次回のコラムで述べたいと思います。
ここまで読んで頂いた皆さまは、
何が違って、この差が生まれているのか、考えてみて下さい。

(2020年3月30日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士
プロフィール
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