働き方の変化:ベンチャーキャピタリストの仕事

近頃は仕事のやり方がずいぶん変わってきたと
感じることが多くなりました。
例えば、ベンチャーキャピタリストの仕事は、
10年前までと様変わりです。

この仕事は、創業まもないベンチャー企業に
資金を投資して、その会社が成長して
株式公開や大手企業に買収されるときに、
投資した株式を売却して収益をあげることを
目指す仕事です。

<ひと昔まえのVCの仕事>

長らく日本では、この仕事は金融営業マン
の仕事でした。
つまり、ベンチャー企業や小規模企業を
一日何件もコールドコールや飛び込み営業で
新規開拓営業を繰り返していました。
そうやって、投資先企業を獲得するのです。

VC業界ではこれを「投資営業」と言ったものです。

そして、投資していいよと言ってもらえれば、
少額(数百万円程度)の投資を数多くの会社に
分散して投資するのです。

ちなみにコールドコールで初対面からの提案で、
投資ができるというのは、
そのベンチャーキャピタルが大手銀行の子会社
などであるからでした。
つまり、会社の看板が信用を担保していました。

<最近のVCの仕事>

ところが、最近ではそういった旧来型の
ベンチャーキャピタリストの仕事は
起業家の間で受け入れられないようです。

起業家も、ベンチャーキャピタリストも
個人的な人脈のネットワークでつながっていて、
その輪の中にいるかどうかで、
仕事がやれるかどうか決まってしまいます。

実際、フェイスブックに繋がっている
「友達」の中で投資の話しも進んでいきます。
仕事のやりとりもEメールではなくて、
(ましてや電話ではなく)FBのメッセンジャーで
やりとりがされます。

ソーシャルネットワークの友達なんて…と
批判する人も一般的にはいますが、
人の信用でフィルターされているので、
このネットワークごまかしにくいですよね。

今日のベンチャー企業の経営相談に乗ることが
できるだけの知見があって、
仲間に入れるだけの価値を提供できることが前提で、
信頼できる人でないと入れません。

グループに属している人の承認がないと入れない。
一言さんお断り、ということです。

一朝一夕では得られないリソースによって、
仕事ができる輪の中に入れるかどうかが決まり、
その中にいるならばチャンスがあり、
外ならばチャンスは0ということです。

尚、ベンチャーキャピタリストへの信用については、
会社の看板では無くて、
個人の人々からの信用の蓄積できまると言えるでしょう。

<まとめ>

今回はベンチャーキャピタリストの仕事を例にとって
仕事のやり方の変化を述べました。
10年スパンでみれば随分と変わったものです。

単に仕事の進め方や習慣が変わったというのではなく、
その根底にある人間関係を成り立たせる為の
その人への信用が何によって決まるのか、
ということも変わってきていますね。

ブロックチェーンの技術もそうですが、
個人への信用というものが大切になってきています。
この変化は形を多少変えても他の業界でも
多かれ少なかれ生じているでしょう。

こういった仕事のやり方の実情を理解することは、
将来に就くことを希望する仕事を目指す時に、
どんな準備をすべきか、わかります。

付け焼刃での就活や転職活動では、
目指す仕事に就きにくくなっていますので、
興味ある仕事への理解は、早めに深めましょう。

2018年10月15日 山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士
ヤニー株式会社
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