意見が食い違う外国人上司とのコミュニケーションの取り方。

日系企業から外資系企業へ転職をしたときなど、
外国人上司(今回は欧米人)との話し合いや
コミュニケーションギャップがあったときに、
どう解決すればよいのか基本的な考え方を述べます。

前回のコラムでは、日系企業から外資系企業に転職して
カルチャー・ギャップに苦しむ理由を、
米国人上司の表と裏の使い分けに戸惑うと書きました。

今回は、欧米人上司や同僚と食い違ったときの
コミュニケーションの取り方です。

<外国人上司の態度に違和感を持ったとき>

前回書いたように、欧米人上司がフレンドリーな態度で
立派なビジョンを述べていたのにも関わらず、
露骨な利益追求をして違和感を持った場合の例を書きます。

例えば、営業職の自分に
「わが社の理念はカスタマーファーストだ。」
「お客様の幸福の為に最適な商品をご提供しよう。
君は真の友人だ。ともに頑張ろう」
・・・などと言っていたのに、
別の時に「もっとこの商品を売り込めよ!
売上を上げる為にはもっとアグレッシブに提案しろよ」
「できないなら、ボーナスは無しだ!」
なんて言われて、ムカついたときです。

こんなときに、
「この間言っていたことと、今言っていることが
ちがうじゃないか!なんだその態度は!」
と言い返しても、相手は何のことかさっぱり分かりません。

カスタマーファーストだ、真の友人だって言っていたのに
今の態度は何だ?おかしいじゃないか?って、
相手の道義性の無さを責めても、
日本人が思う道義性と相手のそれとでは異なるし、
仕事において優先していることも違うので、
ピンとこないのです。

<共通言語で会話する>

異なる文化の人間同士がコミュニケーションとるには
共通言語、すなわちお互いが共通して持っている
価値観にもとづいて話し合います。

となると、今回の欧米人とのコミュニケーションでは、
共通言語は「ルール、法律」です。
欧米人の表と裏の裏について、
ルールさえ守っていれば何でもあり、と前回コラムで
私が述べた「ルール」です。

ルールは、相手が特に重視していることで、
我々も重視していることです。
ここだけは共有出来ている価値観ですので、
これを軸にコミュニケーションを取るのです。

あんたの態度がおかしい!と責めるのでなく、
この点でムカつくことは脇に置いておき、
「私の仕事上の役割は〇〇で、その進め方にもとづき
顧客のニーズを把握して提案をしたところです。
次の商談で商品の特徴を再度説明し成約を目指しますが、
この進め方に問題はありますか?」
・・・などと、あくまでルール(この場合は職務の役割)の
ポイントでの会話をします。

このポイントはお互いが理解出来るものですので、
話し合いが前に進む可能性が高いでしょう。

外国人との会話など、異なる文化的背景の人との
コミュニケーションを成立させるには、
自分の基準のみで正面衝突するのではなく、
(ムカつく気持ちは脇に置き)共通言語を探して、
それに基づいてコミュニケーションを取ることがお勧めです。

(2019年1月15日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士
ヤニー株式会社
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