異質な人と付き合うには、まず相手を理解する。

人と言うのは、ほんとイロイロです。
会社や学校で新年度が始まって、
新しい人々と出会うと、そう思うことも多いでしょう。
また、採用面接をしていても、
いろんなタイプの人がいると感じると思います。

新たな人と人間関係を作るときでも、
面接で人を選ぶときでも、あるいは会社を選ぶときも、
まずは相手のことを理解しないと、
良い関係を築くことや、
適切な人物評価もできません。

私も、人は一人ひとり本当に違うということを
目の当たりにした経験が以前にありました。

<例:ドイツ人の友人>

だいぶ前、学生時代の夏休みのことです。
ドイツからの留学生である友人と、
国内を2週間くらい旅したときです。

たしか、9月頃の飛騨あたりでの出来事です。
山間のユースホステルに泊まったのですが、
夜になると外は虫の音の大合奏でした。
私は自然を感じて「これぞ旅情」と思いながら
癒されつつ寝ようとしていました。

すると、友達が「うるさくて、寝れない!」と。
私が独り言でも?と思って「何が?」と聞くと、
「外の昆虫の音がうるさすぎる」とのことです。

結局、友達は寝不足になってしまいました。
あのコオロギや鈴虫の鳴き声は、
ドイツ人の友人にとっては、
道路の車の騒音と同じで「単なる音」
に過ぎなかったのです。

これは私にとって、
人は一人ひとり大きく異なって、
自分だけのレンズで他人を見ていては
その人を理解なんてできない、
ということを学んだ経験でした。

<脳のちがい>

ちょっと脱線しますが、
私のこの経験、
日本人と欧米人の脳の違いらしいです。

「ヒトは7年で脱皮する」(黒川伊保子 著)では、
ヒトの脳は右半球と左半球に分かれており、
信号音や機械音のような情緒的意味を感じない音は
右脳(左耳)で聴き、
人の声のような情緒的な意味合いを付与する音は
左脳(右耳)で聴くそうです。

ヒトは7年で脱皮する 近未来を予測する脳科学 (朝日新書)

この「情緒的意味合いを付与する音」の境界線が
日本人と欧米人では違うとのこと。

日本人は自然界の音を左脳で聴き、
例えば、私が旅先の山村で虫の音を聞いて
旅情を感じるのです。

他方、欧米人は虫の音など自然界の音を
機械音と同じ領域(右脳)で聴くそうで、
虫の音を聴いても単なる音響にすぎなくて、
「うるさいなぁ」となるのです。

<まずは相手を理解する>

私がこのドイツ人の友達に、
「うるさいんじゃなくて、山の中で涼しい夜に、
虫の鳴き声を聴くのは、風流でしょ!」
「なんか、癒されない?」
と言っても、何にも伝わりません。

で、その違いを埋めることを相手に求めても、
良い関係は築けませんよね。
だって、そもそも違うのですから。

でも、相手はそういう人だと理解できれば、
私の例では、ドイツ人の友人は、
自然の音から情緒を感じることはないと理解できれば、
本人の悩みを正確にとらえてサポートも出来ます。

そうすれば、きっと良い関係も築けるし、
旅行も楽しくなるでしょう。

仕事にしろ、学校での取り組みにしろ、
自分とは異なる多様な人々と一緒に何かするときは、
まずは相手を理解することを目指すのが、
良い関係を築き、ものごとをスムーズに進める
コツではないかと思います。

(2019年4月15日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士
プロフィール
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