焦る若手のキャリア開発、2つの方法。

<専門性を身につけたい焦り>

新卒で入社して早い段階で転職を考える人は、
近年ではだいぶ増えていると感じます。
私のところへの入社1、2年目での転職相談は
確実に増加しています。

中には内定中の学生が、3年後くらいに
希望の職種へ転職する為にどうすればよいか、
といった相談も珍しくありません。

皆さん自分のキャリア形成をよく考えていて、
キャリアビジョンをお持ちで、
それを実現する為に新卒の会社も選択している
と言えるでしょう。

ある管理職の人が仰っていたのですが、
「最近の若い社員は焦っている」とのこと。
確かにそうかも知れません。

この焦りですが、別に最近だけの傾向ではありません。
20代や30代前半の若手にとっては自然な感情です。
焦りの元は何だと思いますか?

それは”アイデンティティを形成したい“という欲求です。

<アイデンティティを明確にしたい>

この年代はアイデンティティ形成を求めるのが、
成長過程において正常な傾向なのです。
それが普通です。

「現職だけでなく、他の会社でも通用する専門性を身につけたい」
「このままでは専門性がつかない。
転職出来なくなってしまうのではないか」

などという気持ちもすべて、根っこには
「自分は〇〇の専門家だ」「自分はこうだ」
と言えるアイデンティティを明確にしたい気持ちが
意識的、あるいは、無意識レベルであります。

20代や30代前半の人々は、
この焦る気持ちを抑える必要はありませんし、
自分を抑圧して現職に留まろうと無理に思う
必要もありません。

また、年長の管理職の人は、若手の焦りを
抑え込もうとしても無理です。
その欲求に応える対応をしてあげるべきです。

<若手が見落としがちな視点>

ただし、若手が十分に持っていない視点もあります。

それは、偶然の出来事や出会いがきっかけとなり、
自分の新たな興味に気づく、ということです。

これが結構、キャリアの転換点になります。
やりたいことが分からなかったけれども、
たまたま経験したことがきっかけとなって、
チャレンジしたいことが見つかる、
となることも多いのです。

偶然の出来事が沢山起こるように仕掛けて、
その偶然が起これば、それを最大限に活かす、
という考え方ですね。

この計画的に偶然を引き起こして、
その機会を活用するという手法は、
個人のキャリア開発ではとても有効です。

<キャリア開発の2つの方法>

キャリア開発では
ゴールを定めてそれに向かう方法を
多くの人々はとっています。

これも分かりやすい方法ではありますが、
上手く機能しないことも多々あります。
焦るが故に、間違ったゴールを設定したり・・・

このシンプルな方法だけでなく、
上述した方法、
計画的に偶然を引き起こす視点も
並行して持っておくことがお勧めです。

ゴールを設定する方法と、
偶然を引き起こして最大限に活かす方法。

キャリア開発には、
この2つの方法があることを知っていると、
より納得したキャリア形成ができると思います。

(2019年3月11日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士
プロフィール
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