入社した会社がブラック企業だったときの対処。

カリスマ経営者の理想的な理念に共感して
入社したら、聞いていた理想と違って凄い
ブラック企業だった、との相談を以前に
受けたことがあります。

それを会社が汚い!と糾弾したくなるけど、
その会社を辞めて次に入った会社も同じ
タイプの会社で、同じような思いを繰り返して
いる人もときどきいます。

会社が悪いと言いたくなりますが、一方で
その会社を選んだのは自分。
なぜ選んだのか、その原因を見極めないと
同じことを繰り返してしまいます。

そのようなブラック企業へ身を投じたのは
どうしてか、一歩引いて振り返りましょう。
騙された!という気持ちは、一旦、括弧
( )に入れておいて。

さて、そうしたとき現状の仕事や生活で
自分が正当に評価されていないと不満や
憤りを抱えていて、転職を考えていたら
要注意です。

ひょっとしたら、現状への憤りが
「自分はもっとイケてるはず」という
自己愛を肥大化させてしまっている
かも知れません。

つまり、自分はカリスマではないけど、
偉大なカリスマ経営者を礼賛して、
その偉大さに自分がそんな存在でありたい
という願望を投影することで、間接的に
自己愛を満たそうとするケースです。

自分を評価してくれない不当な現実に
憤りや不満を感じている人にとって、
理想化されたカリスマに対する絶対的な
崇敬は、生きる意味を与え、一時的な
救いとなる(と感じさせる)ことが
あります。

一見強制された訳でなく、自ら進んで
カリスマ経営者の組織に身を捧げようと
する場合、こうした自己愛の感情が
絡んでいることが多々あります。

入った会社がおかしいと思ったら、
それに絡めとられないことは大事です。

でも、仕事を変えても、また同じタイプの
会社だった・・・ということにならないよう
自分の判断を振り返りましょう。

なぜ自分がそのカリスマ経営者を、会社を
選んだのか?
認めがたい現実ですが、上記のような傾向
はないか?

会社や仕事と関係のない親しい友人など
第三者(私のようなキャリアコンサルでも)
に相談して、客観的なフィードバックを
得てみることも良いでしょう。

(2016年9月5日 山本恵亮)
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<参考図書>

ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 (文春新書)