悔しさや怒りのパワーだけでは、長続きしない。

悔しさをバネにしよう、とか、
怒りをエネルギーにして頑張る、ということは
よく耳にしますが、私はお勧めしません。

なぜかというと、疲れるからです。
そして、心身ともに疲弊してしまう人に時々出会います。

確かに、失敗したときとか、上手く行かなかったときに、
「この悔しさバネに頑張ればいいじゃないか」と
自分を納得させることには一定の意味があります。

でも、それは嫌な思いを引きずらずに忘れるため、
という意味です。

仕事にしても、本格的に取り組んでいる部活でも、
成功するには長期的にやり続けないといけないものは、
悔しさや怒りの負のエネルギーだけではもちません。

ただし、悔しさや怒りは、
瞬間的に凄まじいエネルギーを生み出すのも
事実ではあります。

これは、健康ドリンクを飲んだら一時的に
元気が湧いてくるのと同じようなものです。
ジェット飛行機で言うとアフターバーナーみたいなもの。

ここぞという勝負どころで、このエネルギーを
瞬間的に使うにはよいでしょう。

しかし、健康ドリンクを飲み続けると、
健康を損なってしまうように、
悔しさや怒りを常に注入して、ハイテンションで
頑張り続けようとすると、精神的に弱っていきます。

やはり大きく成功するには、
好きなことをやることです。

今の仕事が好きだから集中していたら、
時間が過ぎていた。
好きなマラソンに熱中していたら、
物凄い距離を走りこんでいた。

でも、辛くはなくて、
大変でも好きだからやれるのだな、
という納得感がある。

そんな状態にあると、はたから見るとその人は
超人的に頑張っているのだけれども、
当の本人は別に歯を食いしばって頑張っているとか、
そんな感覚は全くないものです。

そういう人たちが、大きな成果をあげています。
成功している人を見ると、活き活きとしているように
感じませんか。

仕事探しにしても、
キャリアビジョンを考えるにしても、
自分が本当に興味を持てそうなことや、
好きだと思えることを中心に考えていくことが
結果的には成功への近道だと思います。

・・・と書いてみて気づいたのですが、
その場合、成功なんて堅いことばは不釣合いですね。

改めると「幸せや満足感への近道」ですかね。

山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士
ヤニー株式会社
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<好きなこと探しに役立つツール>
価値観のワークシート(Web版、無料)
Webで利用可能な自己分析ツール一覧

<推薦図書>
人生にかかわる大切なことは、
先人の知恵が最大のヒントになります。
100年以上前の著作ですが、現代語訳が出ています。

努力論 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ11)

悔しさなど負のエネルギーでは長続きしないと、
今回のコラムで書きましたが、
この本で幸田露伴が「張る気では長続きしない」と
述べているお話に着想を得ました。
幸田露伴は日本の歴史的な小説家ですが、
人間の心を深く理解できた人だということが
著作から伝わってきます。