自身のキャリアを具体的に考える時には、労働市場の状況を理解しておくことも大切です。
仮に転職するとして求人があるのかざっくりとイメージを掴む指標として有効求人倍率があります。
有効求人倍率とは、求職者1人あたり何件の求人案件があるのかを示す数値で、
月間の求人数を求職者数で割り算しています。
3月29日の日経新聞(電子版)によると厚生労働省が29日に発表した2月の有効求人倍率は1.28倍で、
24年振りの高水準だそうです。リーマンショックの時が0.4倍程でしたのでその高さが分かりますね。
さて、自分のキャリアを考える時に大事なのは、「で、自分にとってはどうなの?」ということです。
この高い数値は外国人旅行者の恩恵を受ける宿泊・飲食サービス業や卸売業、小売業の求人増が
けん引していると記事では書かれています。
となると、この業界で仕事を探す人以外にはあまり関係が無いですね。
そこで情報源を調べてみましょう。
厚生労働省のホームページで職業別一般職業紹介状況の一覧表を確認すると職種別の有効求人倍率
(パートを除く)が確認出来ます。
幾つか抜粋してみます。
高い数値:
・建築・土木・測量技術者:4.71倍
・外勤事務:3.28倍
・保健師、助産師等:2.94倍
・情報処理・通信技術者:2.47倍
低い数値:
・一般事務:0.29倍
・美術家・デザイナー等:0.45倍
・会計事務の職業:0.55倍
1.28倍が高いと思っていたら、それをはるかに超える数値の職業がありますね。
情報処理・通信技術者(ITエンジニア等です)など専門性が高い仕事は人不足であることが
浮き彫りになります。
尚、外勤事務はあまり耳にしない言葉ですが、例えば、電気・ガス・水道などの
メーターの検針員の方々などです。
それぞれの職種の専門性がある人は引く手あまたという状況が見えます。
他方、一般事務や会計事務、デザイナー等は、はるかに低い数値になっています。
転職をしようとしても求人が少ないということですね。
有効求人倍率だけが労働市場を知る基準ではありませんが、こういった外部環境も理解して、
自分がやりたい事と、今出来ること出来ないことは何か、と冷静にキャリアプランを考えることや
転職活動の作戦を立てることは大切です。
(ヤニー山本、2016年4月21日)