業界研究・推薦図書:投資銀行の仕事を理解する為の参考本

企業の買収・売却(M&A)や資金調達(増資や社債発行の引受)などを手掛ける
投資銀行の仕事を理解する為の参考本を紹介します。

投資銀行(証券会社の投資銀行部門)への転職や就職を希望する場合は、
仕事内容を理解して、どうして当該業務を志望するのか、
志望動機が明確であることが応募の為の必須条件です。

例え、優秀な応募者でも、面接で問われた志望動機への回答が甘くて
門前払いとなる人はとても多いのが現実です。
この点は同じトップクラスのプロフェッショナルファームでも、
戦略コンサルティングファームとは異なる点です。

準備不足のまま、セレクティブな選考に挑むことがないように、
しっかりと仕事の理解をした上で、考えを整理して、応募しましょう。

それでは、投資銀行の仕事を理解する為の本を4つのカテゴリー、
M&A、バリュエ―ション・モデリング、コーポレート・ファイナンス、
業界理解につながる小説、で紹介します。

<M&A>

「日本のM&A理論と事例研究」服部 暢達(著)(日経BP社)

ゴールドマン・サックス出身の著者によるM&Aについての
理論的な解説と具体的なM&A事例の研究。
大手投資銀行を志望するのであれば、読んでおくべき。

(参考)同じ著者による書籍
M&A最強の選択
実践 M&Aマネジメント
M&A成長の戦略
ゴールドマン・サックスM&A戦記 伝説のアドバイザーが見た企業再編の舞台裏

「新版M&Aのグローバル実務<第2版>」渡辺章博(著)(中央経済社)

独立系M&Aアドバイザリー会社のGCA代表による
M&A実務の本。M&Aのプロセスに沿って実務についての
解説がされており、初心者には分かりやすい内容。

「企業買収の実務プロセス<第2版>」木俣貴光(著)(中央経済社)

M&AのコンサルタントによるM&A実務の解説。
こちらもM&Aのプロセスにそって実務を分かりやすく解説しており
初心者にとっては参考になる。

「最新版M&A実務のすべて」北地達明、他(著)(日本実業出版社)

外資系投資銀行に入社した若手が読んでいる本。
M&Aのプロセス、ストラクチャー、バリュエーション、デューデリジェンス、PMI、
法務、税務、会計などについての実務を大変詳しく記載されている。

「M&Aの契約実務(第2版)」藤原総一郎、他(中央経済社)

投資銀行のバンカーが結構持っている本。
アナリスト1年目では難しい内容だが、投資銀行で契約実務をやったことがあれば「なるほど」と腹落ちする内容。

「M&Aファイナンス」笹山幸嗣・村岡香奈子(著)(金融財政事情研究会)

数少ないM&Aファイナンスについての書籍。
M&A実務に従事する人々も参考にしている良書。
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<バリュエ―ション、モデリング>

「MBA2バリュエーション」森生明(著)(日経BP社)

バリュエ―ションの基本を学ぶための入門書として有名な本。
金融で働く多くの人々が初心者のときに読んでいる。

(参考)同じ著者による書籍
バリュエーションの教科書

「企業価値評価のすべて」KPMG FAS(著)(日本実業出版社)

バリュエーションを理解する為の基本書として役立ちます。
バリュエーション手法をマーケット面、インカム面、コスト面の各アプローチに分類して
分かりやすく解説されており初心者にはお勧め。

「企業価値評価-バリュエーションの理論と実践(上)(下)」第6版 
マッキンゼー・アンド・カンパニー、他(著)(ダイヤモンド社)

投資銀行のバンカーの間では超定番。理論から実務まで記載されている。
やはりマッキンゼーは難しいことを分かりやすく伝えることでは世界一である。
バリュエ―ションについて、しっかりと学びたい人にお勧め。

「外資系金融のExcel作成術: 表の見せ方&財務モデルの組み方」慎泰俊(著)

外資系投資銀行のモルガン・スタンレー、投資ファンドのユニゾン・キャピタル出身の著者が投資銀行のエクセル技術と財務モデルの作成方法を伝授。
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<コーポレート・ファイナンス全般>

コーポレート・ファイナンス第10版 上・下
リチャード・A・ブルーリー、スチュワート・C・マイヤーズ、フランクリン・アレン(著)(日経BP社)

コーポレート・ファイナンス全体について述べられている専門書。
大手金融機関の新入社員や大学の金融ゼミなどでも読まれている。
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<業界理解につながる小説>

「サルになれなかった僕たち」ジョン・ロルフ、ピーター・トゥループ(著)(主婦の友社)

投資銀行の仕事ぶりや世界観、文化に触れることができる本。
この本が執筆された当時よりも今は業務を効率化するツールの登場などで、
若手の働く環境は変化しているが、根底にあるカルチャーは同じで参考になる。

「投資銀行青春白書」保田隆明(著)ダイヤモンド社

業界研究を軽く始めるときに参考になる小説。
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以上です。
投資銀行は一流のプロが集まる世界です。
プロは準備を怠りません。
その様な世界を目指すのに、準備不足で応募するのは無謀です。
しっかりと事前に準備をして、悔いのない転職(就職)活動をされることを
心から祈念しています。

<筆者>

山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士

投資銀行、バイアウトファンド(PEファンド)、コンサルティングファームなどへの
転職支援を15年以上に渡って手掛けてきた。
当該分野への人材紹介を専門とするアンテロープキャリアコンサルティング(株)取締役であり、
個人へのキャリア形成コンサルティングを行うヤニー株式会社代表。
プロフィール

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<参考情報>

業界研究・推薦図書:バイアウトファンド(PEファンド)の仕事を理解する為の参考本

経営コンサルタントが読む本から思考力を得よう。(推薦図書)

・自分のキャリア・デザインに取り組む為の参考ツール:キャリア・デザイン・プログラムの自己診断ページ