人生またはキャリアの転機の時期は
誰しも悩み混乱することが殆どです。
物語の場面が切り替わるようにパッと
転機を乗り越える事が出来れば楽ですが、
人の心はそんなに単純ではありません。
転機の心理を研究した学者ブリッジス
によると、転機は古い状況から抜け出し、
過渡期のどっちつかずの悩む時期を経て、
その後に新しい状況へ向かって歩み始める
プロセス(終わり→中立圏→開始)と
とらえました。
これまでやってきたことが終わり、
モラトリアムの時期(中立圏)に人は
悩みます。
例えば、会社で異動して、これまでの
自分のやり方を変えるべきか、変えずに
維持するべきか、どうしたらよいのか
わからず悩む、といった感じです。
これはキャリアの中で特につらい時期と
言えるでしょう。
その様な時には、どう考えていけば
よいのでしょうか?
まず、前提として大切なことは、
投げやりにならずに自分で考えて
自分で決める意志を強く持つことです。
これは簡単なようで難しいことです。
ときどき自分自身を振り返って、他人の
せいにしていないか、自己憐憫に陥って
いないか、セルフチェックしましょう。
さて、大事なポイントの1つ目は、
「何が変化していて、その変化による
影響は何かということを明らかにする」
ことです。
それによって現在の状況を具体的に捉えて
理解出来ると不安が軽減します。
さらに、これからどうしていくべきか、
考えを前に進めるきっかけになり得ます。
もう1つは、悩んでいる自分の感情を
ありのままに受容することです。
平たく言えば、つらい気持ちを押し殺す
のではなくて、「あ、私はつらいのだな」
と受け入れることです。我慢しなくて
いいのです。
この2つを実践してみるだけで、
モラトリアムのつらい時期の気持ちを
落ち着かせ、考えを前に進めることが
出来るでしょう。
次回以降のコラムで、上記に加えて
他の大切なポイントを述べようと思います。
(2016年9月19日 山本恵亮)