偶然の出来事がきっかけで職業を選んで
いることは、多いのではないでしょうか?
実は、キャリア形成について考えるとき、
ここにけっこう大切な要素が潜んでいます。
自律的にキャリア形成に取り組む場合は、
偶然を自ら作り出していくことが、
職業の選択に大きな影響を与えるという
お話を今回はしたいと思います。
先週リリースしたタイプ分け診断は、
人は自分の特性(興味、能力など)と共通
する特徴を持つ仕事を探し求めていると
いう考え方にもとづいて、パーソナリティ
のタイプを分類し、それに近い職種は何か、
と考える為のきっかけづくりを目的としました。
ただし、これで自分に向いている職種は
○○だ!と安直に答えを出して、
そこで思考停止してはいけません。
キャリア形成を考える上で、もう1つ
大事なことがあります。
偶然の出来事を大切にすることです。
予期しない偶然の出来事から、
新たな気づきや目標を見出して、
自ら変化を引き起こすことです。
例えば・・・
たまたま読んだ本に感銘を受けた、
たまたま聴いた講演に触発された、
たまたま出会った人と意気投合した、
・・・など偶然の出来事が自分の転機に
なることがあります。
これまでの人生を振り返っても、誰しも
その様な経験は良くも悪くもあるでしょう。
この偶然の出来事を最大限に活用することが
大切です。
その為には、キャリアビジョンや計画に
ついて完璧な答えを求めるのではなく、
あえて未決定のスペースを自分の中に
作っておくのです。
言い換えれば、一度決めた目標や計画に
ガチガチに縛られないことです。
予想外のチャンスがあったときに、
「私の目標は○○になることだから」と
みすみす機会を逃すのではなく、
「ん?それって面白いかも」と
好奇心を持って、やってみることで
今までに想像もしていなかった
道が拓けることがあります。
ですから、安直に答えを出して
「問題解決!」と思考停止するのではなく、
未決定のスペースを残しておいて、
積極的に行動して新しい出会いや学びを
創出していきましょう。
その際、すぐに腹落ちする答えが
見つからなくても焦る必要はありません。
「積極的に探索しつつも待つ」という姿勢で
粘り強く取り組めば良いのです。
そして、一度決めたことに固執せず、状況の
変化に応じて柔軟にビジョンや計画を
書き換え、チャンスがあれば挑戦できる様に
チャンスに対し常にオープンでいましょう。
自己理解を深めることの大切さを
私は幾度も述べてはいますが、
これだけでは答えのない自分探しの旅に
迷い込んでしまいます。
偶然を作り出す行動をしてこそ、
自己理解への取り組みが意味をなします。
つまり、自己理解が深まっていれば、
突然チャンスが生じた時に、それを
選択するか否かの判断が出来るのです。
働きがいある仕事を見出す為には、
自己理解への取り組みに加えて、
偶然の出来事や出会いを作り出すべく、
積極的に行動していきましょう。
(10月31日 山本恵亮)