前回のコラム「高すぎる目標への
道から、自分に合う小道へ」で、
生き方や働き方という点で、
単なる経済的、社会的成功に向けた
メインストリートではない、
自分に合う林間コース(=小道)を
見つけることが出来たら幸せ、
と書きました。
では、
そのメインストリートたる表通りから、
小道にはどうやって移れるのか、
どうやって小道を見つけることが出来る
のでしょうか?
前回は、心の声に耳を傾けるのが大切
と書きました。まず、これから始まります。
次は、どうしたらいいのでしょうか。
この表通りから小道へ移るプロセスが
一番つらい時期です。
悩むのもこの時期です。
何に悩むのでしょうか。
答えが分からない悩み。
昔はやりがいを感じていた仕事だが
今はもう楽しくなくて、心の声は
「なんか違う。もっと個性発揮したい」
なんて心の底から聞こえるけど、
次にやりたいこと(答え)が分からない。
何となくワクワク出来そうなことが
あるけど、そっちをやろうとすると
今の地位を手放さないといけない、
といった葛藤。
小道に入れば新しい発見があるかも
しれない可能性はあるけど、
そこに何があるかはわからない。
などなど、心の中で葛藤する訳です。
だから辛いのです。
でも、新しい生き方をしようと思うと
自分に合う小道に入ろうと思うと、
これまで持っていた何か手放すべき
ものを捨てる必要があります。
例えば、スマートな車で表通りを走る
時には、その車に街乗り用の素敵な
ホイールがついたタイヤを装備しているけど、
山の小道に入る為には、
その素敵なタイヤを手放さないと、
小道を走る為に必要なオフロード用の
タイヤをつけることが出来ません。
ですから、考えてみましょう。
「自分が手放すべきものは何か?」と。
山の小道を走るには、これまでやって
きた運転方法、注意の仕方、装備、
楽しみ方、出会う人への接し方などは、
通用しません。
未舗装道だったり、ハイカーと
すれ違ったり、野生動物が飛び出す
可能性もあります。
また、街で注目を浴びて走るのでは
なくて、自然を楽しむドライブになるでしょう。
つまり、これまで持ってきたもののうち
手放すべきものを捨てて、
次に来るはずの新しいものの為に、
自分の中にスペースを空けるのです。
ついつい我々は、捨てるのが怖くて
新しいものを付け足すことばかりして
しまいがちです。
でも付け足してばかりでは、
面白そうな新しい考えも、
ひょっとしたら楽しいことに出会える
可能性も、
それらが自分に入ってくるスペースが
ありません。
心の声に耳を傾けて、
自分に合う小道へ入ろうと思うなら、
自らに問うてみましょう。
「今、私が手放すべきものは何か?」と。
(2月13日 山本恵亮)
高すぎる目標への道から、自分に合う小道へ