中途採用:2次面接や3次面接で目指すべきこと。

1次面接は多くの場合が1次スクリーニングです。
面接官は、候補者の経歴やスキルが募集要件に合致しているか、
また、コミュニケーション能力などのソフトスキルは大丈夫か、
会って感じる人柄に違和感はないか、
といったことを確認することが一般的です。

そして、これらの点を確認して、2次以降の面接では
経験やスキルのより深いところを聞いていくとともに、
候補者のパーソナリティを理解することが面接の目的
になります。

これまでにも述べてきたことですが、
コミュニケーションを深める初めのステップは次の3つです。
ステップ1から3へ進むにつれて、相手への理解が深まり、
人は安心をします。

ステップ1:挨拶(=存在を認める)

ステップ2:事実の交換(=必要な情報を伝え、また得る)

ステップ3:考えの交換(=自分の考えを伝える、また、聞く)

このうち1次面接は、ステップ2までか、
中身の濃い面接だとステップ3まで進みます。

そうすると、2次面接以降は、どうなるのでしょうか?
相互理解が深まるコミュニケーションのステップ4は、
相手の考えへの共感を相互に伝え合うことです。

ステップ:4:共感の交換(=相手の考えへの共感を伝え合う)

会話の例をご紹介します。

***
面接官:
(仕事の説明)・・・・以上がこの仕事の内容です。
何か質問はありますか?

Aさん:
この仕事で特に大切なことは何ですか?

面接官:
お客さんからの依頼が沢山くるので、
期日までに依頼事項をきっちりと返すことです。
約束を必ず守ることですね。

Aさん:
なるほど。それはこの仕事はもとより、全てにおいて大切なことですね。

面接官:
はい、そうなんですよ。
結局ところ、その積み重ねが信頼を築くと思います。

Aさん:
私もそう思います。
実は、私は細かいことでも約束を必ず守ることを
仕事のモットーとしています。
ただ、簡単なようで難しいので常に気をつけています。

面接官:
おー、そうですか。
そのモットーを貫くことに苦労した仕事の例を教えてくれますか?
***

以上の面接官とAさんの会話では、
お互い自分の考えを述べて、それに相手が共感を表明し、
会話が発展しています。

このような会話の裏では、面接官もAさんも、
相手への印象が相互に高まっているものです。

相手の考えを知り、自分の考えを伝え、
それにお互いが共感する。
そういうコミュニケーションを経ると相互理解が進み、
相手への印象がお互い高まります。

経験やスキルが十分であると確認出来た上に、
相互理解が進み、相手への印象が良いとなると、
「ぜひ、この人に入社してほしい」という機運が
高まるでしょう。

2次面接以降では、経験やスキルのアピールだけではなく、
自分の考えを伝え、また、相手の考えを聞いて、
賛成できることであれば積極的に共感を表明することが
大切です。

そうして、相互理解を深めることを目指しましょう。

2018年7月2日 山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士
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