キャリアコンサルタントの参考本として、
前回は発達論・トランジションに関する本を紹介しました。
これらはクライアントを支援する上で理解しておくべき分野です。
しかし、それだけでは大事な視点が抜けてしまいます。
キャリアとは計画して積み上げていくだけでなく、
偶然の出会いから新たなキャリアの道が開けた、
ということも多々ありますよね。
世の中で成功している人の話を聞いても
キャリアプランを計画して、
それを実行して目標を実現した・・・
というだけでは無かったりします。
「偶然の出来事がきっかけで今の道を選びました」
というお話は多いものです。
偶然に起こったことが、これまでの経験と合わさって、
その人の意思決定に影響を与えることもあります。
また、将来起こりそうなことに対して、
自分の職業を選択するにしても、
これまでの経験で学んだことも踏まえた判断になるでしょう。
やはり、社会的学習理論に基づく視点も、
キャリアコンサルタントは持っておきたいものです。
以下、
クランボルツとバンデューラの本を紹介します。
<推薦図書>
その幸運は偶然ではないんです!
J.D.クランボルツ
計画通りに動くだけでなく、
まだ決めたことがなくても、まず行動すれば、
新しい経験ができ可能性が広がる。
そうして出会う予期しないできごとからも
キャリアは形成されるので、
偶然のできごとを最大限に活用する視点も
キャリア開発には大切である。
読みやすい本です。
社会的学習理論-人間理解と教育の基礎
A.バンデュラ
他者の行動を観察することで学習するという
モデリングという概念を提唱したバンデュラ。
また自己効力は、成功経験や代理経験、
言語的説得や自分の生理的反応の変化によって
生じるとする。
オンデマンド版で少々値が張るが、理論を俯瞰できる。
文章の難易度は高め。
激動社会の中の自己効力
A.バンデュラ(編)
自己効力にフォーカス。
1章「激動社会における個人と集団の効力の発揮」
をバンデュラが執筆している。
その他、数名の執筆者が自己効力と職業選択など
複数のテーマで執筆した論文が掲載されている。
以上です。
キャリアコンサルタントは、実践経験を積むとともに、
学び続けることが必要ですよね。
ともに学びレベルアップしていきましょう。
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士
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<そのほかの推薦本>
発達論、トランジションに関する本の紹介:
キャリアコンサルティング参考本:発達論・トランジション(推薦図書)
特性・因子論などに関する本の紹介:
キャリアコンサルティング参考本:特性・因子論など(推薦図書)
また、キャリアコンサルティングを学ぶ人向け参考書は、
下記のコラムで勉強法とともに紹介しています。
<技能士検定、面接試験対策>
キャリアコンサルティング技能士検定の面接試験を
受ける人は下記のコラムでコツを書いています。