個人のキャリア形成において仕事外の人間関係は、
かなりプラスの影響を与える重要なものだと思います。
自分の仕事で頑張って業務をこなすことや、
職場や顧客など仕事で関わる人々との関係を築くことが
大切なのは当たり前です。
でも、キャリアの発達、仕事上の自己成長は、
仕事上の関係性の中だけで生み出させるものではなく、
仕事の外側にある人間関係から影響を受けることも
実は大変多いものです。
私も仕事の外側から貴重な学びを得てきたのですが、
(活かせているかどうかは別にしてw)
何が良いのか考えてみました。
<仕事の外側の世界を持つ効用>
仕事外の世界を持つことのキャリア上の効用は、
下記がベスト2かな、と思います。
1.仕事外の人間関係の中で起こる問題からの学び。
2.新たな自分の発見。
それぞれ述べます。
1.仕事外の人間関係の中で起こる問題からの学び:
まず人付き合いから直接的に学ぶことが色々とあります。
例えば、私が所属していたボランティア団体
(ボーイスカウト;小学生の野外教育団体)で、
一人だけクセのある人がいて輪を乱していました。
ほとんどの人がそっぽを向いていたのですが、
当時の責任者と副リーダーは、その人を排除せず
抱きしめるかのうように仲間として愛を注ぎました。
すると、その人の心が氷解して不器用ながらも、
プロ意識と思いやりといった魅力を発揮して
本活動の目的である子供達の育成にとって
無くてはならない存在となりました。
この事例からグループ内の異質な存在を
短絡的に排除するのではなく、
リーダーが北風と太陽のように愛を注ぎ
存在を丸ごと受け入れると、相手も心をひらき
仲間となれることと、その大切さを学びました。
2.新たな自分の発見:
仕事の関係を離れると、他人からの自分への
フィードバックを素直に受け入れやすく、
自分には見えていない自分の姿に気づかされることが
沢山ありました。
仕事外の人間関係では、仕事のプレッシャーも、
組織内での駆け引きもないわけで、
学生時代の時の様にオープンになれるからでしょうか。
例えば、私が言われた言葉と気づきを4つ挙げると
下記の様な感じです。
***
「おい、けーすけ、お前は長いものに巻かれるたちだからよぉ」
→自分は独自の道を行くタイプと思っていましたが、
そう見えるのかぁ、と新たな気づきに。
もっと意思を表明してリードすべきかなと。
「リーダーの資質があると思っていたがその通りだった」
→責任者を引き受けて数か月たった時に言われて自信につながる。
「僕のことを強い男だと言ってくれた」(男子小学生)
→真剣に人に向き合うと人を変えると気づかされた。
「やっぱり、もっと信頼できる人にお願いしよう」(女子小学生)
→涙…。落とし物を届けに来た女子がいたのですが、
内心(面倒だな)と一瞬思ったのを見透かされた…。
表面を取り繕ってもダメ。
***
<仕事の内側と外側を行ったり来たり>
最近では仕事以外の活動であるボランティアや副業が
会社に認められるようになってきましたので、
日常の仕事の外の世界で人間関係を持つことの意味が
理解されやすくなっているかも知れません。
仕事の外の世界を持つことで、日常業務では得にくい
学びを得られることが多々あります。
また、他者からのフィードバックを受け入れる
オープンな姿勢になりやすく
(あるいは、そのスキル自体を学ぶことにもなる)
新たな自分の発見に繋がります。
これらは直接的には今の仕事に役立つことでは
無いかも知れませんが、
これらの学びや気づきの経験は個人の成長の養分となり、
キャリアを発達させることに繋がっていくと思います。
コロナ禍で人に会いづらくなっていますが、
仕事外での人間関係について改めて重視してみても
良いのではないでしょうか。
(2021年2月8日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士
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