いちど描いた夢やキャリア・ビジョンを
堅持するということは、一見正しそう
ですが、人生において中長期的な視点、
例えば10年単位くらいでみれば、
現在の自分にウソをついているかも知れません。
得てして人は一度描いた夢やビジョン
から自分の考えが乖離してくると、
「初心忘るべからず」だと気持ちを
引き締めて元に戻そうとしがちです。
でも、短期的な目標は別として、
人生で同じ夢やビジョンを何年も
持ち続けることって、
個人の発達上では不自然なことです。
大事なことは、ずっと同じ夢を
あきらめずに堅持することではなく、
古くなった夢を手放して、
新しい夢を描き続けることです。
人生の経験を積んで視野が広がり、
生活の状況も変わると、
自分の興味も、手に入れたいことも
変化するのが自然です。
例えば、昔はやりがいを感じていた
仕事がつまらなくなってしまうこと
などは珍しいことではありません。
自分の気持ちが弛んでいるのかな、
と自分を律して、無理やり昔の意識に
戻さないといけないと、思うこと
なんてないのです。
それよりも、自分の中に起こっている
変化にはどんな意味があるのだろうか、
と考えてみましょう。
人生もキャリアも、1つの山頂だけを
目指す登山の様なものではありません。
何かを目指して頑張っていたら
それが終わり、新しい興味が出てきて
やってみたら次の夢が生まれて、
しばらく没頭していたら終わり、
また新しい興味に巡り合い・・・と、
らせん状にぐるぐると繋がっていくものです。
1つの夢を目指す時期が終わることは
新しい夢を描くことを引き起こす
経験や出会いに繋がっていきます。
次の夢を見出すまでのモラトリアムは
辛かったり、もどかしかったりしますが、
それも新たな夢への準備期間です。
自分にとって古くなった夢やビジョンに
縛られずに、新しい夢を生み出して
いきましょう。
(2017年1月23日 山本恵亮)