複数の採用内定から、1つを選択する方法。

転職や就職活動をやっていて、
幾つか内定を獲得してどれを選ぼうか?
と迷ったとき、
何を基準に選べば良いのでしょうか?

将来、転職をする時に評価されそうな
会社を選ぶのか?

キャリア目標に近づく為に必要な
スキルは何かを考えて、それを
身につけることが出来る仕事を
選ぶのか?

何となくイケてるように思う仕事を
選ぶのか?

難しいですね。

結論から言ってしまえば、
私は直感を重視すべきだと思います。

ただし、
その直感を鵜呑みにするということ
ではありません。

同じ直感でも、自分自身の内的欲求から
生じる直感を重視すべき、というのが
私の考えです。

内的欲求と書きましたが、何かというと、
自分自身への動機づけ要因となるものです。
例えば、達成感、人からの承認、成長の可能性、
仕事内容そのものへの共感、などです。
人それぞれ、様々な欲求をもっています。

これらは、満たされれば満たされるほど、
満足感や幸福感が高まり、モチベーションに
繋がっていくものです。

一方、外部環境に関するもの、例えば、
給料の金額、会社ブランド力、会社の経営方針、
社員へのマネジメントスタイルなどは、
それらがとても良いから選択する…
という一番良い選択肢を選ぶ為の
判断材料ではありません。

これらは、あくまで、自分にとって
許容範囲内か、そうではないか、といった
基準で判断するものです。

自分の許容範囲外だと思えば、
選択肢から捨てていく、
足切りをする為の視点です。

なぜならば、外部環境の要因は、例え
どれだけ良くても、たいした動機づけには
なりにくいのですが、
一方で、自分の許容範囲に満たなければ、
猛烈な不満を引き起こします。
だから、自分の基準を満たさない場合は、
さっさと捨ててしまいます。

そんな訳で、直感を重視して次のキャリアを
選ぶのですが、考える為のステップは
次の通りです。

ステップ1:選択肢を仕分けする。

選択肢をみて「良いかな」「ちょっと嫌かな」
という直感が、自分の内的欲求に根ざしたものか、
外部環境の要因から生じているのか、
選択肢を仕分けします。

ステップ2:足切りすべき選択肢を捨てる。

外部環境の要因で、違和感ある選択肢の中で
自分が受け入れ難い水準にあるものは捨てます。

他方、満足は出来ないけど、受け入れ難い水準
とまではいかないのであれば、とりあえず
良しとします。

ステップ3:残った選択肢を噛みしめる。

足切りをした後の選択肢の何が良いのか、
じっくり噛みしめて考えます。

内的欲求に根ざした要素を持つ選択肢なら、
自分がもっともワクワクするもの、
幸せだと感じるもの、
そういった選択肢はどれか、考えます。

また、外部環境の要素で魅力を感じて
残っている選択肢については、
その中で内的欲求を満たせる要素の有無を
調べましょう。
それが有れば、それを噛みしめ、
無ければ、入社後の満足感は低くなる
可能性があるので格下げです。

ステップ4:思い切って1つを選ぶ。

噛みしめた選択肢の中から
自分が最も喜びそうなものを1つ選びます。

正解は1つではありませんので、
迷うでしょう。
でも、思い切って選んだら、あとは
入社先の会社は先着順だと割り切って、
それ以上はうじうじ考えるのは辞めます。

辞退する会社には、丁重にお断りの連絡を
しましょう。

最後に・・・

以上が、複数の内定先の中から1つを選ぶ為の
ステップです。

とは言え、簡単では無いですよね。
内的欲求に根ざしたものって言われても…
という感じだと思います。

だからこそ、自らを知っていることが必要で、
大切なことは、
「自分にとって動機づけになるのは何か?」
を分かっていることです。

ただ、そんなこと分かっている人は稀です。
なぜかというと、自分の内的欲求や価値観は、
普段から言語化していることはあまりなく、
大抵は自分の無意識の中にあるもの
だからです。

なので、自己分析など自己の理解を深める
為に内省することや、
直感的にピンときた仕事があれば、
何にピンときたのか、掘り下げて考える
ひと手間が大事なのです。

この無意識の中に埋もれている
自分の欲求って自分を突き動かす強力な
推進力を持っているのですよね。

それに合う仕事なら、
例え、辛くても、大変でも、
「なんか好きだから頑張れる」でしょうし、
仕事に没頭して時間が過ぎるってくらい
熱中出来たりします。

また、意識的に選んだことは、
状況が変わったり、時間が経てば
あっさり考えが変わってしまいます。

でも、無意識に根ざしていることは、
普遍的でそう簡単には変わりません。

どうせ大変な仕事をやるのであれば、
その様な自分にとり普遍的に大切なものに
フィットする仕事に自分の人生の時間と
エネルギーを使いたいものです。

ですから、直感でいいな!と思った仕事が
あったのなら、
自分の直感は何にピンときているのか、
掘り下げて考えるひと手間をかけましょう。

そして、外部環境の要因に惑わされずに、
自分の内的欲求を満たせると思える
仕事はどれか、考えることをお勧めします。

2017年4月3日 山本恵亮