コロナ危機:人生の転機では、新たな始まりの前に終わりがある。

今まで上手くいっていたことの歯車が狂い、
仕事や人間関係が上手く行かなくなって、
自分がどうしたらいいのか分からず、
苦しい時期にはどうすべきか?…
ということを前回のコラムで書きました。

コロナ危機:自らのキャリアの分断で不安なときに、取り組むと良いこと。

それは転機で、「終わり」「過渡期」「始まり」
という3つのステップで進むと述べて説明しました。
これは誰もが人生で成長していく為に必ず歩む
公式のようなものです。

<終わりを受け止める>

人が生まれ変わるような自己変革の時には、
まず「終わり」を避けずに受け止めることが
困難だけど必要な一歩です。

でも、これ、難しいのですよね。
誰しも色々な「終わり」を経験するのですが、
それをうまく処理できないことも多いもの。
「あー、もうだめだ―」とショックを受けるけど、
つい目を背けてしまいがちです。
やっぱり、終わりは怖いので避けたいのです。

いままで大切にしていた仕事や活動、
人間関係、環境などを失い困惑しますが、
この喪失は自らの転機の前兆だったりします。

仕事を失うことや、大切な人を失うという
外的要因がこれまで自分が慣れ親しんできた
世界から自分を離脱させるのです。

これによって、心の変化のプロセスが始まるのです。

逆に言えば、慣れ親しんだ世界が機能している限り、
新たな生き方やアイデンティティを想像することは
難しいと言えるでしょう。

<時間をかけて解体していく>

従来の世界からの離脱は急に生じます。
例えば、今回のコロナショックによる
個人への影響のように。

しかし、自分がこれまで慣れ親しんできた
習慣や行動パターン、考え方などは、
徐々に解体するしかありません。

この時期、人は精神的に混乱するものです。
そんなときは、自分の行動パターンや、
こうだと持っていた拘りを見直してみると
良いでしょう。

<セルフイメージをゆるめる>

これまでの世界から離脱し、
内面が解体されていくとき、
もっとも辛いのは自分のアイデンティティを
失うことです。
自分は何者か?という自己定義ができなくなり、
一時的に何者でもない状態になるのです。

このアイデンティティの喪失は、
特に辛い気持ちを引き起こします。

特に仕事での転機が生じるときや、
その中での肩書が自分のアイデンティティに
ダイレクトに繋がっているときは、
ショックが大きいものです。

パニック状態で余裕がないかも知れませんが、
こんなときには自分がこれまで当然の様に
持っていたセルフイメージをゆるめることが、
自分を再定義するプロセスのドアをあける
ことになります。

<終わりを認識する>

これまで慣れ親しんできた世界が急に終わり、
自分がそこから離脱したことを受け止める。

そして、時間をかけながら、
従来の考え方や行動パターンを見直して、
セルフイメージを緩めていきます。

そうして、自分が今までいた世界は、
もう無くなったのだと気づけるか。

これに気づいた人は、次のステージに向けて
歩みはじめることが出来ます。

一方で、気づかずに絶望するだけだと、
そこに留まり続けることなります。
その場合は、理想の幻想を求め続けるだけで、
前進も、成長も訪れないのです。

終わりを認識することが、
まず第一歩です。

(2020年5月4日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士
プロフィール
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

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<参考コラム>
コロナ危機:自分のキャリアの分断で不安な時に取り組むと良いこと

サバイバル就活術~コロナ危機でも怖くない職選び~

カミュの「ペスト」にみる緊急事態下での働きざま

すさまじい収入格差が広がっている日本<2回:格差を引き起こす習慣の違い>

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<参考ツール>
自分の好きなことを知るには、価値観の把握から:価値観のオンライン・ワークシート

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